第24回  守備について色々その5 ゾーンブリッツ

ゾーンディフェンスしながらブリッツしたいよーというわがままを何とかするための戦術です。
どうやるかといいますと、ラインバッカーやディフェンスバックがブリッツに行ってお留守になってるはずのスペースを
ディフェンスラインの選手が下がってカバーするのです。
普通は突撃してくるはずのディフェンスラインが突撃してこないので、ブロックする側は戸惑います。
こうすればブリッツを入れつつ、後ろを7人でカバーできます。


ゾーンブリッツの例は下の図を参照。
例のプレイですと、QBには「ラインバッカーが二人来たぞ」→「真ん中には人がいないから真ん中にパス投げてやれ」
→「嘘!いるじゃん!!!」という具合に混乱させる事を狙ってますし、
ラインも大変です。CがMLBをブロック、RGがLEを、RTがLOLBを、
LGがREをブロックするということを瞬時に判断できないと、
漏らした選手がQBに突っ込んでしまいます。
あとはFBがどれだけ頑張れるかですが。(HBはパス受けに行く事も多いし、ブロックでは期待できません。)


これをやるためには、まず、押し合いが本職のはずのディフェンスラインに足の速い選手がいないといけない事。
おかげで、特にREとLEは、ラインバッカーと変わらないスピードを持つ選手を使うようになってます。
でもそういう選手を集めるの大変なんですよね。ラインバッカーと変わらないREやLEなんて貴重品ですから。
更にゾーンディフェンスと混ぜますから、当然のことながら、コンビネーションが固まってないと
ゾーンの受け渡しなどで滅茶苦茶になります。やるのは大変です。


長所:ブリッツとゾーンディフェンスを両立させる事でオフェンスの選手を迷わせる事が出来る。
   ちょっと迷ったらブロックできませんからね。
短所:やる側にとってもとにかく難しい事。よほどきっちり練習してないと使いこなせません。
   ディフェンスラインが一旦下がるという戦術なので、相手がランを出してきた時に厳しくなります。
   押し負けてはいけないのに、下がっちゃう分だけ押し込まれちゃいますからね。